くろねこ時計


プロフィール

月のひかり☆

Author:月のひかり☆
『自作俳句』
★我が裡に涼しき音で鳴る風鈴 ♪
『自作短歌』
★「猫ジャラシ風に揺れてる曇り日の失意の心励ます如く 」
『独り言』


Youtube音楽PV集Ⅱ



presented by Youtube音楽PV


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ




短篇小説

シチューをどうぞ!続編 最終回

sityuu.jpg

▼この作品の登場人物は全て架空の人で
実在していません。
全て空想で書きました。
どうか応援して下さい。



「実は私も一人暮らしでなので、ずっと淋しくて仕方なかったのです。誰一人として話す相手がないということ程淋しいことはありません。確か今、貴方もお一人だとおっしゃいましたがその言葉はホントにそうなんですね?」と、ルリ子はその人に念を押して尋ねた。

「はい、そうです。私は身よりも無くて、たった一人で暮らしています。だから病気になんかなっても誰一人看病してくれる人も居ませんし、食事を作ってくれる人も居ないので常日頃ずっと困っています。今のお話によると貴女もお一人ということで・・」

「はい、嘘は言いません。ご覧の通り、この家の中には私の他に誰の姿も見当たらないでしょう。私だって貴方と同じです。今は元気ですが、もしも病気にでもなったら誰も看病してくれる人は一人も居ませんし、もしかすると死ぬ時も一人かもしれません。近頃、テレビなんか観ていますと、孤独死というのが流行っていますね。私もきっとそうなるに違いない身の上だと思っています。でも、出来ることなら、あんな風には死にたくありません。だから貴方がこの儘此処に居て下さってもちっとも迷惑なんかではありません。かえって嬉しいのです。今夜貴方が来て下さった事は、もしかすると神様の御心かもしれないと思われてなりません。」

「ホントにそうかもしれないですね・・もしかすると、私が肺炎になって熱が出たこともかえって良かったのかもしれません。私も貴女のおっしゃる通り、やっぱりこの病気のお蔭で貴女にお逢い出来たので・・今はホントに嬉しく思います。」

その人の顔がますます嬉しそうに明るく耀いた。ルリ子の顔も明るく耀いた。
それから、数秒間、時が流れた。

「だからこそ、こうして、淋しい者同士の私達が、雪の降る夜に、こうしてお逢いすることが出来ました・・」

二人はまるでずっと以前からの知り合いだったように手を取り合って喜んだ。
どちらも涙ぐみながら・・
窓の外には、雪が相変わらず激しく降り続いていた。
ルリ子はその人の顔が、気のせいかどこと無くあの湯気の精に似ているような気がした。

-完-



imagesCAQPNMRF.jpg




↑ランキングに参加中・・応援よろしく!
佳き一日となりますように・・

 | BLOG TOP |  NEXT»»