くろねこ時計


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月のひかり☆

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短篇小説

ソフトサキイカ ♪ (最終回)

sofutosakiika.jpg

▼この作品の登場人物は全て架空の人で
実在していません。
全て空想で書きました。
ちょっと面白くってロマンチック・・
短いと思います。
どうか応援して下さい。



「おい!まだか? 駅前にちょっと行くだけなんだからね!普段着の儘でいいよ!」
「なぁんだ。駅前に行くだけなの・・電車に乗って、もっと遠くまで行くのかと思ったわ。でも良いわ。今ね。ちょっとだけ口紅を塗ってるんだから…」
「口紅なんか塗らない方がいい…悠紀子は素顔が一番いいから…取り敢えず早くしてくれよ!」
「はい、はい、すぐに済みますから…達男さん、お願いだから、もう少しだけ待ってて下さいね…先に行ったりしないでね。」
悠紀子は大急ぎでお気に入りのワインレッド色の口紅を塗った。

kutibeni2.jpg

ほんの少し茶色っぽくアイシャドーも塗って、やっと、外出の用意が整った。

二人で一緒に歩くのは久し振りだった。
達男さんは相変わらず背が高くて男だから特別お洒落しなくても十分格好が良い。イケメンだし…
幸い今は胃も痛んでいないし…やっと治ったのかもしれない・・あぁ、健康なことって何て幸せなの・・なんて思いながら、達男さんの方に自分の右手をそっと伸ばすと、達男さんも、それに応えるかのように悠紀子の手をしっかり握ってくれた。
早春の日曜日の夕暮れの風はまだまだ冷たかったけれど、二人の心はしっかり結ばれていて暖かだった。
夕茜色の空が広がって、駅前のマンションの窓の明かりがうっすらと幾つかつき始めている。

mannsyonnyoru.jpg

「あ! 私・・ソフトサキイカを何時の間にか呑み込んでしまってたわ ! 」
悠紀子が独り言のように言ったが、達男さんには多分、聞こえなかったのだろう。前を向いたまま黙って歩いていた。悠紀子はそんな達男さんが大好きで、顔をそっと見上げた。
達男さんの手も暖かだった。

-完-





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