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月のひかり☆

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短篇小説

紫陽花 1

ajisai.jpg

▼この作品の登場人物は全て架空の人で実在していません。
全て空想で書きました。
季節は初夏・・
一人住まいのヒロイン、風子は花屋で一人の親切な男に出逢う。
紫陽花の季節に相応しいちょっと不思議なロマンチックな物語りをお楽しみ下さい。
どうか応援して下さい。



風子はこれと言った身寄りもなくて、とある住宅街の一角に一人住んでいる。
長い間、会社で事務の仕事を地味に真面目にコツコツとして来た。
友と呼べる親しい知り合いも殆んどいない。
裕福とまでは言えないが特にこれと言って遊んだ経験もないので、いつの間にか預金通帳の残高の額がだいぶ増えた。
孤独と言えばこれ以上の孤独な人はいないかもしれない・・なんて自分自身感じている。
その上、実は、数日前ぐらいから、ちょっとしょげ込んでいる。
折角、ふとしたきっかけで知り合った男(ひと)と別に喧嘩をした訳でも無いのに何故か理由(わけ)も判らず別れる羽目になってしまってるからである。
携帯でメールを送っても返事が全く来なくなってしまった。
何処に住んでいるのか、駅の名だけは聞いていたが全く知らない。
風邪でも引いて気分が悪いから書けないのかもしれないと思って2、3度続けて送信したが無しの礫…
まぁ、まだ付き合って一年足らずぐらいだから諦めるしか仕方ないのかなぁ…とは思うが、自分としては滅多にない人だったので、気落ちするのも当たり前…もしかすると、これが失恋というものかもしれない。
自分って大して美人でもないけれど、決して不美人だとも思っていない…
この儘ではあまりにも可哀想だから今から花屋まで出掛けて行って、花でも買いたいと、ふと、思い付いたのだった。
急いで身支度を整えると家から車を走らせて街に向かって出掛けて行った。
爽やかな初夏の風が車の窓からひゅ~んと吹いて来て風子の髪を撫でた。
「やっぱり外は明るくて気持ち良いわぁ…家の中ばかりに籠っていると落ち込んで変になってしまう…」
風子は独り言を言いながらどんどん車を走らせて行った。
間もなく商店街のちょっと外れた所にある行き付けの花屋に着いた。
「まぁ、何て綺麗・・花を見ると気持ちが晴れるわ。花ってやっぱり優しくて素敵・・」
風子は店先に置いてある季節の美しい花々を眺めてはため息をついた。
「いらっしゃいませ!」と花屋の女主人が早速にこやかに出て来た。
相変わらず花屋という商売にはぴったりの色白の美人…
「お久し振りです!」と風子は意識して元気良く挨拶をした。
私って先ほどまで、あんなにしょげ込んでいたのに、何と元気な声が出るものかしら…やっぱり、ここまで出て来て正解だった。どんな時も前向きに進んで行くに限るわ…」などと思いながら、花をもっと見たいので店先から奥の方へと入って行った。

ー続くー




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