くろねこ時計


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月のひかり☆

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短篇小説

「青い天使 1

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▼この作品の登場人物は架空の人で実在していません。
全て空想で書きました。
人はそれぞれに異なった価値観を持っているということを
書きたかったです。
応援ヨロシクお願い致します。 



礼拝室の窓ガラスの外に夏っぽい木々の若葉が真昼の太陽に眩しく輝いて見えていた。

礼拝のプログラムの最後の牧師の祝祷が終わると、出席している人々はガヤガヤし始め、隣や前や後ろの席に座っている人に話し掛けたり席を立って礼拝室から出て行く者もいた。

美奈子はお気に入りの布製の人形の顔の描いてある黒いバッグの中に聖書と讃美歌の本を仕舞った。

暫くすると、再びオルガンの音が響き始めた。

美奈子の大好きな讃美歌184番だった。

月の第一週目の日曜日は聖さん式と言って洗礼を既に受けた者ばかりが礼拝後に残って改めて神の前に信仰を誓う儀式が行われるが、今日はそれとは違って互いに信仰の証とか祈りの課題とかその他何でも気の付いたことや信仰の告白をする日…

席を立っていた人も何時の間にか自分の席に戻り礼拝室の中は再びしぃ~んと静まり返った。

オルガン奏者が相変わらず讃美歌の184番を繰り返し奏でている。

やがてオルガンの音も止んでいっそう礼拝室の中が静かになった。

白いシャツを着た司会の男性が前に出て行き前を向いて立った。
「では、今日はこの一週間何か特に神様のお恵みがあって皆と共に恵みを分かち合いたいと思っておられる人がありましたらその場に立ってどうぞ手短かに話して下さい。その他、何かお祈りして欲しいこととか報告したいこと等何でも言って下さい。」
と言いながら、ぐるっと会衆一同を見回した。

一人の青年が手を上げて立ち上がり昨日の土曜日に行われた中高生のキャンプが17名集まり無事に楽しく終了したという報告をした。皆が拍手をした。

「他に何かありませんか?」司会の男性が再び皆に尋ねた。
誰も黙ったまま何にも言わないのでこれで今日の礼拝は済んだのかな…と皆が思ったちょうどその時だった。
沢田加代が突然すっくと立ち上がった。皆は一斉に加代に視線を投げた。
「あのう…」

加代が躊躇いがちにちょっと口ごもりながら笑顔で話し始めた。

ー続くー




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