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月のひかり☆

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短篇小説

「青い天使 9


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▼この作品の登場人物は架空の人で実在していません。
全て空想で書きました。
人はそれぞれに異なった価値観を持っているということを
書きたかったです。
応援ヨロシクお願い致します。 



美奈子は先程からずっとパソコンのキーボードを叩いている。
実は、美奈子はアマチュアの小説家・・

少女時代から小説を読むのが好きで、小学生の頃から部屋に閉じ篭っては日本文学、外国文学を何でもお構い無しに読み漁っていた。

読んでいるだけでは飽き足らず、遂に自分自身が書いてみたくなったという次第・・

そんな美奈子だからか、今もあまり顔色が冴えず青白い顔をしている。

ずっと独身を通しているのも、そんな幼い頃からの内に籠りがちな気質の所為かもしれないし、痩せ型の長身の体がちょっと猫背なのも、やっぱりその所為かもしれないと自分で思っている。

部屋の窓から、無花果の大きな緑色の葉っぱが、折りしも吹いて来た風にゆらゆら揺れて、葉先から先程まで降っていた雨の名残の雫をポタポタ落としているのが見えていたが、次に見た時には銀の細い矢のような雨が再び降り始めていた。

美奈子はキーボードを打つ手を暫く休めて、「ふぅ~」と大きく溜め息をついた。
小説の一区切りの所までやっと書き終えたので、ちょっと、ほっとしたのだった。

ふと、加代と美奈子の顔が目の前に浮かんだ。
どちらも美奈子の数少ない貴重な友達・・

「それにしても、加代さんも直子さんも、二人が二人とも何故何時もあんな風に明るくしていられるのかしら?人生とか世の中に対して全く何の疑問も感じることが無いのかしら?不思議だわ・・私なんか何時だってすぐにどうして?どうして?と疑問ばかり感じては考え込んで、結局何も判らず、挙句の果てには疑心暗鬼にまでなって落ち込んでばかりいるというのに・・」
等と思いながら、パソコンのすぐ横に置いてあるコップを手に取って、冷たい麦茶をほんの少しだけゴクリ!と飲んだ。

「きっと、二人とも信仰が立派なんだわ。信じる者を救って下さるという神の愛をどこまでも固く信じているからあんな風に明るくしていられるのね・・それに較べれば自分の信仰なんか、まだまだ未熟で知れたものね・」

雀が一羽、窓ガラスの向こうの雨で曇った灰色の空を、まるで石礫のように素早く横切って行くのが見えた。

「でも、こんな自分でも満更捨てたものじゃぁないものね。今まで色々疑問を持っては悩んで来たからこそ小説なんかが書けるようになったのかもしれないもの・・そうそう、今書いているこの中篇小説の題を早く決めて、数日中には完成させて、何処かに一度は応募しないといけないわ。勇気が要るけれど・・」などと独り言を言う。

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ー続くー




↑ランキングに参加中・・
応援よろしくお願い致しま~す。

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