くろねこ時計


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月のひかり☆

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短篇小説

「白い壁 最終回

siroikabe.jpg

ファンタジーぽい作品です・・
ちょっと不思議な青年Kと詩織との愛と恋の入れ混じった
ロマンチックな物語・・応援よろしくお願い致しま~す。



それから数日後のことだった。
詩織は幾つかの用事があったので、久し振りに梅田の午後の雑踏を急ぎ足で歩いていた。

haihiiru.jpg

胸には例の十字架のペンダントを銀色に耀かせながら・・

デパートの食料品売り場で知り合いにちょっと贈りたい物もあったし・・一階で見たい物もあったので・・

用事が全部済んでデパートから出て、エスカレーターに乗って地下街に降りて行く時のことだった。
隣に動いているもう一つの昇りのエスカレーターとすれ違いざまに、詩織は思わず「あ!」と小さな叫び声を立ててしまった。

無理も無い。信じられないことが起きたのだから・・

何と!Kが自分のすぐ目の前をすれ違って昇って行ったのだった。

Kは詩織の顔をじっと見ながら無言で、昨日の夢の中と全く同じように如何にも明るく優しい笑顔を見せながら、ちょっと片手を上げて合図なんかしてその儘一階に昇って行ってしまった。

「あ!kさん・・」
詩織は自分が又夢でも見ているのではないか?と目を疑った。
あまりの嬉しさに胸がわくわくした。

Kに逢いたさのあまり焦ってエスカレーターが下に着くのももどかしかった。

けれども、やっと下に着いて、即座に上を見上げた時には、もはやKらしき人影は嘘のように消えて、何処にも無くなっていた。

esukareetaa2.jpg

(あぁ、Kさん、貴方にもう一度お逢いしたいです。いっそ今から又すぐエスカレーターで引き返して昇って行って貴方を見付けたいと思います・・)等と暫く心が複雑に迷った。

けれども、その時すぐに「082s087371」というKとの約束のあのパスワードが心の中に浮かんで来たので、やっと考え直しをした。

「そうそう・・リビングの白い壁の前でこのパスワードを三度繰り返して言いさえすれば何時だってKさんに又ゆっくり逢えるのだから大丈夫だわ。あの時、Kさんは、そんな風に言って、約束してくれたのだから・・今のはきっとKさんも私に逢いたくなったのでほんの少しだけ姿を現したに違いない・・」

詩織は微笑みながら真っ直ぐ前を見て、もう二度と迷うことなく梅田の雑踏の中をいそいそと歩いて行った。

K.png

ー完ー




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