くろねこ時計


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月のひかり☆

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この小説は作者の空想で書いたので登場人物は全部架空の人です。

中年の独身主婦民子と15歳年下の幽霊の青島不二雄との織りなす物語。



そんなことが在って数日間が瞬く間に過ぎた。

民子は夕暮れ時、リビングで大好きなバッハのプレリュード1番を聴いていた。

(そろそろ夕飯の用意をして何か食べないといけないわ。たとえお腹空いて無くても食べないと力が出ないもの‥)なんて思いながらリビングの長椅子から立ち上がり掛けた丁度その時だった。

突然、スマートフォンの呼び出し音が鳴り響いた。

慌てゝスマートフォンを手に取り耳に当てると、何と、筋向かいの青島不二雄からだった。

keitai8.jpg

「あの~民子さん、お久し振りです。筋向かいの青島不二雄ですが~~」とちょっと遠慮がちな相変わらずか細い震えるような声が聞こえた。

「まぁ、何方かと思ったら青島さん。先日はご心配をお掛けして誠に申し訳ありませんでした。わざわざ来て頂きまして‥」

「イヤイヤ、お気遣いなく‥あの時は民子さん、唯お庭で昼寝をして居られただけだったのに近所の慌て者達が血相変えて庭に入って行ったので、僕も便乗して民子さんのお顔を是非見たくて行かせて頂いたまでです。何しろ僕は移動するのは得意中の得意でしてね‥あっという間に行けますから‥あれくらいわけもありません。」

「まぁ、そうなんですか‥でも、青島さん、ちょっと気になるのですが・・あの時、確か貴方様のお顔の額の所がたいそう切れて血なんか滲んでいましたがお怪我でもなさったのですか?」

「あぁ、あの傷ね。あれはまだ今も治っていません。何時だったか?僕ね。あんまりくさくさするので、思い切って高い所から飛び降りましたら、案の定、全身打撲になって、あの時は酷く痛かったです。気を失った程です。でも、今はもう全く痛むことも無く、大丈夫になりました。」

「まぁ、そうだったのですか?!」
(青島さんって、一体どんなスポーツをしているのかしら?そういう一面もあるのね。全然気が付かなかったわ。)

一人ぼっちの民子は一日中所在無くて退屈な上に、何といっても夕暮れ時になると殊更淋しいので、青島不二雄がわざわざ電話を掛けてくれたことが、たとえ用事が何であるにせよ殊の外嬉しかった。

「あのね。民子さん、今夜、我が家にお出でになりませんか。実は美味しい但馬牛のテキ用を二枚用意してあります。もし、来て頂けるのでしたら、民子さんの為に僕が久しぶりに腕によりを掛けてご馳走しますよ。」

「まぁ、美味しそうですね。お料理が苦手の筈の青島さんがご馳走して下さるんですか。あ、私、今夜食事の用意をまだしていませんでした。」

「それならちょうど良かったです。そうそう、民子さんは確かバッハのプレリュード一番がお好きですよね。」

「はい、そうですが、よくご存知ですね。」

「えぇ、民子さんのことなら僕は何でも知っていますよ。ずっと以前から民子さんのお家の窓から毎晩プレリュードの一番が聴こえて来るのをよく知っていました。アハハハ・・」と笑い声を立てながら言った。

「あぁ、そういうわけだったのですか。」
民子も吊られて楽しくなって笑った。

「つい最近、新しくオーディオコンポーネントも買いましたしね。バッハの曲を幾つか揃えて持っていますし、勿論プレリュードの一番も在ります。だから、民子さん、今夜是非、僕の家に来て下さい。待っていますので‥」

「まぁ、何て素敵なんでしょう。それにしても青島さん。貴方って私よりだいぶ年が下の筈ですが‥確か15歳ぐらい差が在るのでは無いでしょうか。」

「かもしれませんね。でも、それが一体何だというのでしょう。年なんか関係無いですよ。二人のフィーリングさえ合えばそれで良いと僕は思っています。」
青島不二雄がきっぱりと言った。

思いがけない青島不二雄の誘いを民子は一も二も無く承諾した。

急いで身支度を整えると夕暮れ迫る門の外に出て、筋向かいの青島不二雄の家に向かって走って行った。

誠に女とは一見強そうに見えても弱い生き物・・

たとえ相手が正体の判らない幽霊ごとき者であったとしても、自分に対して優しくさえしてくれゝば意外に簡単に誘いに応じる浅はかで可愛い存在なのである。

それ以来、青島不二雄のみならず淡島民子の姿も忽然としてこの世から消えた。

近所の主婦達は元よりこの世の中の誰も皆、それぞれの暮らしをするのに精一杯で、二人が居なくなったことを知っているのか?知らないのか?話題に出す者さえ居ない。

心在る者は時折、真夜中など耳を澄ますと、青島不二雄の屋敷の二階辺りからバッハのプレリュード一番が微かに聴こえることに気付くであろう。


ー終わりー

☆バッハのプレリュード一番↓
http://www.youtube.com/
watch?v=NxFCUTHnZPM




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今は朝の7時54分・・

今朝はずい分良いお天気・・窓から秋のような青い空が見えている。

ロンドンオリンピックが盛大に繰り広げられている。

TVで観るのが楽しみ・・

昨夜は女子57キロ級柔道を観戦した。

猫のゴローは今しがた傍に居た筈だが、何時の間にか姿が見えない。

暑くても、食欲旺盛で今が男盛りかもしれない。

無念無想の態度はなかなか見上げたもの・・

少しは見習って、今日も前向きに感謝を続け、神様の居られる青い天を見ながら歩いて行きたいと思う。

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