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女子大生、結衣(ゆい)と公園に咲いている淡い藍色をした花との
触れ合いをファンタジーっぽいタッチで書いた。♪


土からちょっぴり顔を出した青い芽はどんどんと長い茎になり、結衣よりも背が高くなって日に日に逞しく成長して行った。

やがて小さな花の蕾が付いたかと思うと、間もなく花と初めて出逢った初夏の風が吹く季節になった。

蕾は結衣に朝夕見られながら次第に大きく膨らんで、或る日の早朝、リビングからふと見ると、何と、百合に似た紛れもなくあの時と同じ待ちに待った大きな花を咲かせた。

結衣の大好きなあの花とそっくりの 淡い藍色の花がゆらゆらと風に揺れながら咲いているではないか‥

結衣は夢でも見ているのではないかと自分の目を疑った。

「あぁ、ユイの花がやっと咲いたわ。花さん!又お逢いしましたね。」

思わず花の傍に走りよって呼び掛けた。

淡い藍色の花は長い茎を揺らせながらあの時と同じように結衣の長く伸ばした髪をまるで人間のように優しく撫でた。

結衣は嬉しくてうっとりとした。

(今に花の横にあの時の花の精も姿を現すに違いないわ‥)とその場に佇んだまゝ今か今かと待った。

「ヤッパリあれは夢だったのかしら‥?」
項垂れて部屋に入ってからも、結衣はぼんやりとあの花の精のことばかり思って心が切なかった。

「ヤッパリもう逢えないのかもしれない‥」と、半分諦め掛けて泣きながら、ふと見た視線の先に、何と、あの時と同じように、花とそっくりの薄い藍色のシャツを着た若者が花の真横に佇んでいるのが見えた。

「あ!あの男(ひと)・・」
結衣の胸はドキドキと高鳴った。

思わず裸足のまゝ又庭に飛び出して行って花の傍にかけ寄った。

「結衣さん、やっと又お逢い出来ましたね。」
若者が優しい声で言った。

「はい、とてもお逢いしたかったです。あの日、私・・酷い嵐だったので公園に行けなかったのです‥ごめんなさい・・」
結衣は涙を流しながら花に詫びた。

背伸びして両手で顔を優しく包むと、ほっそりとした頬にそっと口付けをした。

「よく判っていますよ。何しろ酷い嵐だったですからね。僕だってあの時、もう少し長く結衣さんの来るのを待って居られたら良かったのですが・・何しろ『花の命は短くて‥』ですから・・でも、結衣さんが僕を大切に運んで来て此処に植えてくれたので、一年ぶりに又こうして逢えました。だから嬉しくてこうして又姿を現すことが出来たのです。これからはきっと毎年逢えると思います。」

「そうですね。大好きな花さん、これからは毎年逢えますものね。」

花は如何にも嬉しそうに初夏の風に体をゆらゆら揺らせながら頷いた。

「僕は何時だって結衣さんの幸せを此処でずっと見守っていますからね。僕はこれから結衣の花になります。結衣さんだけの花です。」

それからというもの、花は毎年初夏になると必ず花を咲かせている。

結衣は学校を卒業して、やがて結婚して子供が生まれ、それから孫も生まれた。

淡い藍色の花は年毎に咲いて、結衣と花は毎年出逢っている。

hanasyoka.jpg

~完成~2012.6.19



0609.gif


短篇「結衣の花」は今日で完了。

最後までお付き合い下さいまして心より感謝致します。

まだ次の小説は途中までしか書けてないですが、焦らず書いて行きたいと思います。

昨夜来の雨は止んで今は薄日が差して来た。

風が在って木々の葉がざわつき、ずい分爽やか・・

パンの焼ける良い匂いがする。

猫のゴローは今朝も赤いチェックの布製の椅子の上でぐっすり寝ている。

サモエドジローはもうすぐ朝の散歩に行く。



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応援よろしくお願い致しま~す。

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コメント

短編小説

ほっとするような、それでいて悠久の時間の流れを感じるような結末でした。情景は全然医がうのですが、千と千尋の神隠しに出てくる「ハク」(実は川の精)のことを思い出しました。素敵な短編小説ありがとうございました。

No title

なりひらさん、こんにちは~♪
コメント有り難う御座います。
そんな風に言って頂くと書いた甲斐があります。

又書きたいと思います。
何時も暖かな応援感謝致します。

佳き一日となりますように…(*^^*)

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2012/06/24 01:10 | まとめwoネタ速neo | まとめtyaiました【短篇小説「結衣の花 最終回」】 女子大生、結衣(ゆい)と公園に咲いている淡い藍色をした花との触れ合いをファンタジーっぽいタッチで書いた。♪土からちょっぴり顔を出した青い芽はどんどんと長い茎になり、結衣よりも背が高くなって日に日に逞しく成長して行った。やがて小さな花の蕾が付いたかと思う...

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