くろねこ時計


プロフィール

月のひかり☆

Author:月のひかり☆
『自作俳句』
★我が裡に涼しき音で鳴る風鈴 ♪
『自作短歌』
★「猫ジャラシ風に揺れてる曇り日の失意の心励ます如く 」
『独り言』


Youtube音楽PV集Ⅱ



presented by Youtube音楽PV


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ




akaijyuujika.jpg

 孤独で淋しい生い立ちの主人公優凜(ゆりん)は、日々希望を胸に明るく生きている。
そんな優凜と一人の青年の出逢いの物語。
二人は思い掛けない時に出逢う。
赤い十字架を巡って物語が展開してゆく。
どうか最後までお付き合い下さいますように・・

 
(8)
一体どれ程の時間が経っただろう。

ふと気が付くと耳元で若い男の優しい声がした。

「あぁ、気が付かれましたか?大丈夫ですか?」
誰か見たことも無い人が自分の顔を覗き込んでいるのが、まだはっきりしない意識の中で薄ぼんやりと見えた。

あんなに凄かった地震が何時の間にか止んでいる。

水も何時の間に引いたのか姿を消していた。

「はい、大丈夫です。私…助かったのですね…」

「そうですよ。」

「貴方が私を助けて下さったのですか?」

「そうです。母親が全く泳げないので…最初は一緒に水の中に居たのですが、水の勢いがあまりにも強くて何時の間にか引き離されて見失って仕舞ったのです。」

「まぁ、そうだったのですか・・」

「今迄長い年月、母一人子一人で生きて来ました。実は母はクリスチャンなので常日頃から、『もし自分が先に死ぬようなことがあっても神様の居られる天国に行くのだから決して悲しんではいけないよ。何時か又きっと逢えるのだからね・・』と何度も何度も繰返して僕に言い聞かせていましたので、僕はその母の言いつけを守って決して悲しんだりしません。」
青年の顔は凛としている。

「母を見失った直後、貴女がすぐ傍をもがきながら漂って居られるのが見えましたので、僕は思わず着て居られるシャツを掴んで貴女を連れて必死で泳ぎ続けました。やっと命からがら二人共助かったという次第です。」

「そうだったのですか…有り難うございました。」
優凜はお礼を言いながら思わず胸が一杯になって涙が溢れ出た。

namida5.jpg

二人共全身濡れ鼠で、空は晴れているとは言え、まだ季節は早春のこと故歯がガチガチと鳴るぐらい寒い。

体中ぶるぶると震えて、知らない者同士がどちらからと言うことも無く自然に抱き合ってしまう。

「それはそうと、君の胸に着けているこの赤い十字架はずっと以前から持って居られる物ですか?どうして手に入れられたのですか?」

「あぁ、これですか。この十字架ならつい最近知り合いのお店で見付けて、とても気に入って買いました。これと同じ物を後一つ何方かが持って居られるとか聞きました。多分女の人だと思いますが…」
優凜は先程水の中で見た美しい中年の女の人のことを思った。

ー続くー


「楽天月のひかり★の部屋」 
は自作の短歌ばかり写真と一緒に掲載してありますが、このFC2ブログの左側の欄の↓の方の「リンク」に貼り付けてありますので、どうか見に行って下さい。 

☆小説の繋ぎ目を、短歌、俳句で補いますので、どうか、応援して下さい。 

今日も佳き一日となりますように・・ 




↑ランキングに参加中・・
応援よろしくお願い致しま~す。






スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 | BLOG TOP |