くろねこ時計


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月のひかり☆

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 孤独で淋しい生い立ちの主人公優凜(ゆりん)は、日々希望を胸に明るく生きている。
そんな優凜と一人の青年の出逢いの物語。
二人は思い掛けない時に出逢う。
赤い十字架を巡って物語が展開してゆく。
どうか最後までお付き合い下さいますように・・

 
(9)
「え!そうなんですか。驚きました。実は僕の母がそれと全く同じ赤い十字架のペンダントを何時も身に着けていました。」

「まぁ…そうでしたか…」
優凜は先程水の中で気を失って漂って居たあの人が目の前に居る自分を救ってくれたこの青年の母親であることが初めて判り、運命というモノの不思議さをしみじみと感じた。

こうして二人が奇しくも出逢った背後に神の存在の在ることを感じずには居られなかった。

そう言えばこの青年の顔が先程のあの人とそっくり似ていて中高な顔が随分整っていて美しい。

空だけが相変わらず青く晴れ渡っているとは言え、早春の山から吹いて来る風は濡れた衣服を着た壗の二人には矢張り堪えきれないほど寒い。

「こんな所に居たら二人とも風邪を引いて病気になってしまいます。何とかしなくては…と言っても僕の家は海のすぐ近くに在りましたので、先程の津波に流されて仕舞って、もう跡形も残っていません。今から急いで避難所にでも行きましょうか?」

「そうですね。それだし何か食べないと余計のこと寒いですね…あ、そうそう。私の住んでるマンションが彼処に見えています。私はあそこの八階に住んでいるのですが何とか大丈夫みたいです。」

ベランダに朝干した洗濯物や布団が辛うじて落ちるのを免れて小さく見えている。

「エレベーターは使えないかもしれませんが階段を昇って行けば何とか家に辿り着けると思います。家に余分な毛布や衣類が在りますしパンとかハムぐらいなら置いて在りますのできっと役立つと思います…」

青年は少し考え深そうな表情をしたが、優凜が如何にもそれが良いという顔をしているので一緒に行く決心をした。

二人は早速坂道を下り始めた。

途中大きな石が山から転がり落ちて道を阻んでいたが、青年が先によじ登って優凜の手を取り引き上げてくれた。

二人は津波で家々が流されすっかり空き地になってしまった荒涼とした広い地面を手に手を取り合いながらマンション目指して斜めに横切って行った。

あちこちに水浸しになった車が置き去りになって、街はしぃ~んと静まり返り、あんなに活気のあった街が今はまるで幽霊の街のように見えた。

人々は皆山の上に逃げてしまったのだろうか。

人の姿を殆ど見掛けない。

そうこうしているうちに余震が又ぐらぐらと来たが先程に較べれば大したことはない。

二人は息を切らせながら一目散に歩いた。

「さあ、着きました。此処が私の住んでるマンションです。」

エレベーターは案の定ストップして仕舞ってボタンを押しても全く反応しない。

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仕方無く階段を昇って行くことにした。

一階ずつ昇って行くと寒い筈なのに今は汗ばんで来る。

やっと八階まで昇って優凜の部屋の前に辿り着いた。

ー続くー


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