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月のひかり☆

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 孤独で淋しい生い立ちの主人公優凜(ゆりん)は、日々希望を胸に明るく生きている。
そんな優凜と一人の青年の出逢いの物語。
二人は思い掛けない時に出逢う。
赤い十字架を巡って物語が展開してゆく。
どうか最後までお付き合い下さいますように・・

 
(10)
息をハァハァ弾ませながら優凜はジーンズのポケットから幸い水から守られ残った鍵を取り出すと玄関のドアを開けた。

「さあ、どうぞお入り下さい。」

すぐ目の前の飾り棚が前にひっくり返って硝子が粉々に飛び散り、中に仕舞って在ったものがバラバラに散らかっている。

リビングの棚に置いてあった物も殆ど床に落ちてしまって思う以上の惨状で地震の物凄かったことが今更のように判り、こうして助けられて命を長らええていることが不思議なくらいだった。

散らかった部屋の中の品々を飛び越え避(よ)けながらタンスの傍まで行くと、引き出しの中から大急ぎで衣類を出して、ほっそりとした青年に何とか間に合いそうな何着かを見つけ出し

「どうか、これに着替えて下さい。」と進め、自分自身もすぐに着替えた。

押し入れから毛布も出して青年に渡した。

次に台所に行って戸棚からパンやフルーツを取り出し
「此処に食べ物が在ります。すぐに食べましょう。」と進め電気の消えて仕舞っている冷蔵庫からバターとハム等出すと早速バターを塗って二人で食べ始めた。

toosuto3.jpg

「お蔭でこれでやっと一息つきました。有り難うございました。」
青年がお礼を言う。

「いいえ、それはお互い様です。私は貴方に命を救って頂いたのですもの…」

「そうですね。こうして二人が出逢ったのも何かの御縁というものですね。これから先も、頑張って二人で力を合わせて生きて行きましょう。」

「はい、よろしくお願い致します。」

二人は急に甦ったように楽しくなってお互いに顔を見合わせて笑った。

その時、不意にスマホの送信音が鳴った。

(あぁ、そうだった…今朝出掛ける時、うっかりスマホを持って出るのを忘れていたのだわ。そのお蔭で壊れずに済んで良かった・・)

優凜はテーブルの上に置いてあるスマホを急いで手に取り耳に当てた。

(一体誰が今頃電話を掛けて来たのかしら?)

すると、何処かで聞いたことのある懐かしい声が耳に伝わって来た。

「あ!その声はヨーマさんですね。」

「そうですよ。先程から電話を何度掛けても出ないので、どんなに心配したか…やっと出てくれましたね。地震が物酷かったし海沿いの優凜さんの住んでる辺りが津波に襲われたとテレビで伝えていたのでね。大丈夫だったかと気になって電話したんですよ。」

「そうでしたか。有り難うございます。私、ホントは津波に呑み込まれて危うく死にそうになったのですが親切な人に助けられて命拾いしたのです。ヤッパリあの赤い十字架のお蔭です。ヨーマさんがあの時言われた通り、私、赤い十字架を持っていたので、ちゃんと良いことがありました。命が助かりました。」

「それは良かった…」

「又一段落したらヨーマさんの所に遊びに行きますね。」

「そう。じゃぁ、待っていますよ。体に充分気をつけて…」

「はい。ヨーマさんも体に気をつけて下さいね。」

「じゃぁ…」

優凜は胸に吊り下がっている赤い十字架を強く握り締めた。

ー完ー


「楽天月のひかり★の部屋」 
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今日も佳き一日となりますように・・ 




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